韓国の芸能界でもウォン安円高の影響で悲喜こもごもだ。
昨年上半期からウォンに対する円とドルが急騰し、予想外の利益や損害が生じているからだ。
◆日本進出の韓流スターたち、円高で「ホクホク」
円高を一番喜んでいるのは、日本に進出した韓流スターたちだ。昨年3月、100円=910ウォン程度だった為替レートが、1年間で100円=1600ウォン台にまで上昇した。日本に進出した韓流スターたちは、ギャラや日本での音源収入を円で受け取っている。
東方神起やSUPER JUNIORの所属事務所SMエンターテインメントの関係者は、「昨年に比べ、ウォンに対する円の価値が倍以上に上がったことにより、収益が2倍になった。日本だけでなく、中国の人民元も上昇したことにより、一部収益が増大した」と説明した。
ペ・ヨンジュンも今回の円高の影響で、黙っていても収入がアップする状態にある。ペ・ヨンジュンは昨年9月に発行された日本訪問記念の写真集で、現行レート基準で約5億ウォン(約3200万円)以上の利益を得たとされている。
イ・ビョンホンもこのほど東京でファンミーティングを開催し、円高特需を謳歌(おうか)した。同じ規模で行われた以前のファンミーティングの時より、入場による収入が2倍以上に膨れ上がった。イ・ビョンホンの所属事務所の関係者は、「円高により日本でのプロモーション費用も倍増したが、日本に進出した韓流スターたちが円高により収入がアップした側面は確かにある」と説明した。
そのため、日本でのプロモーションを活発化する芸能人が増えている。Rain(ピ)は今年1月、東京と大阪でファンミーティングを開催した。東方神起は最近、韓国での活動を終え、日本で26枚目のシングルをリリース。チョ・インソンは入隊前に日本でファンミーティングを開催し、歌手シン・スンフンは25日に日本で2枚目のアルバムをリリースするほか、全国ツアーも計画している。
◆ドル高、留学中のわが子に学費を送金する父親や映画界は「ため息」
しかし昨年半ば以降、1ドル=1000ウォン台から1500ウォン台に上昇したことで肩を落としている人も少なくない。留学中の子どものために学費を送金する父親や映画界の関係者がその代表的な例だ。
フィリピンや米国に子どもを留学させている芸能人の中には、肩を落としため息をついている人が多いという。実際、フィリピンに子どもと妻を送った某タレントは、ドル高が進み、教育費を捻出することが難しくなり、家族を帰国させたという。
映画界もドル高の直撃を受けている。釜山国際映画祭事務局側は「日増しに上昇するドルを見るたびに冷や汗が出る」と話している。映画祭関連のフィルムの輸入やゲストを招待する費用をすべてドルで支払わなければならないため、為替レートに敏感にならざるを得ない状態だ。その上、今年に入ってから映画祭関連の政府予算が減り、ウォン安と重なり二重苦の状態に置かれている。
そのほか、映画輸入会社や制作会社もウォン安ドル高の影響で損害を負っている。『ターミネーター4』の版権契約をした韓国のマスエンターテインメントは、契約金の残りをドルで支払ったことにより、費用が当初の予想より数億ウォン増えたという。このような状況は、映画の輸入会社全般にわたる。映画制作会社の場合も、米国で行われるロケや編集作業のため、費用面での負担が増加している。
◆泣く人あれば笑う人あり
CJエンターテインメント・マーケティング部のイ・サンム部長は、「最近のように為替レートが激変する場合、分野別に喜びと悲しみが交差する。映画界はほかの分野に比べ損害が大きい」と話した。
また、「今年の事業計画を立てる際、1ドル=1150ウォンを基準にした。万一の事態に備え、1500ウォン台まで上がる可能性も念頭においてはいたが、実際に1500ウォン台にまで上がり、さまざまな問題が生じている」と話した。
キム・ヨンウン記者
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